Digital Editing

● 授業テーマ
● DTPのプロセスと起源
● DTPの波及と電子出版
● DTPのフローチャート
● 演習:雑誌の解剖
● 課題:自分特集

京都造形芸術大学 通信教育部・情報デザインコース[スクーリング科目]

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● DTPのプロセスと起源

 編集の目的物である特定の出版物は、文化的創造物としてのイデオロギー的内容と、判型・組版・装幀のすべてを含む物理的形態との統一物として制作され、 編集を構成する各部分、各工程はその特定のアンサンブルのもとに形成されなければならない。

Process

 コンピュータの利用には膨大な専門知識が必要であり、特定の限られた人たちだけがコンピュータを操作していた頃、アメリカのAppleComputer社は1983年にGUIを初めて採用したコンピュータを発表し、製品名を創設者の一人スティーブ・ジョブスの娘の名・Lisaと名付けた。その翌年、同社からGUIによる操作環境を継承し、従来のキーボードによる命令動作(コマンド)に加えて、マウスによる命令動作を実現した Macintoshが登場した。1986年以降、Post Scriptの開発とともに、 ページレイアウトソフトウェアとLaser Writerの組み合わせによるDTP(Desk Top Publishing)という言葉が一般化し、Macintosh発売当初の広告に用いられた“ FOR THE REST OF US(私たち以外の人々へ)”というキャッチコピーのようにコンピュータの専門家以外の「ふつう」の人たちがコンピュータを操作できるようになった。
 そして導入期、普及期、体験期を経た現在、以下のような可能性と諸問題が明らかになったといえる。
○ 入稿が簡単になる
○ デザインの社会的地位の低下を招く
○「やり直し」要求が容易に生じる
○ 版下(完全版下)への認識が変化する
○ 入稿以前にデザイナーが担当する業務が増える
○ 写植業が廃業する・製版業も廃業する
○ デザイナーの基礎習得にかかる期間が短縮され、それに伴って知識の蓄積が欠落する
○ 技術中心のデザイナーが頻出する。類似し、類型化、パターン化された人材が頻出する
○ 著作権への意識低下を招く
○ 今までに行なわれたデザイナーの地位向上に対する反動として捉えられる
○ ポップアート、ニューぺーティングの表層をグラフィックデザインに取り入れたことが、コンピュータを用いた表層的表現の探求を招く

PDF
(Adobe Acrobat / Portable Document File / Format)
 文書に使われているフォント情報を埋め込むことによって、元の版面をそのまま表示・印刷することを可能とするフォーマット。
 データをPDF化すれば編集部と印刷所を遠隔地に設けるといった地域分業が可能となる。

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