20230923
情報デザイン特論大阪電気通信大学 大学院 総合情報学研究科 情報[世界]を見る・考えるデザイン演習 第02週:09月25日 |
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1)演習1[知覚の傾向を探るビジュアルイメージ採集]1 ゲシュタルト要因■ ゲシュタルト要因とは ドイツの実験心理学者であるヴィルヘルム・ヴント(Wilhelm Max Wundt, 1832年―1920年)を中心に、20世紀初めに提起されたゲシュタルト心理学(Gestalt Psychologie)は「人間の精神は部分や要素の集合ではなく、全体性や構造こそ重要視されるべき」とし、その学派の名は、全体性を持ったまとまりある構造を示すドイツ語の「ゲシュタルト(Gestalt:形態)」にちなんでいます。 ゲシュタルト心理学では、人間の知覚において多数の刺激が存在するとき、それらは個々に知覚されるのではなく、より大きな範囲のいくつかの群として知覚される傾向があり、そのまとまりを決定するものを「ゲシュタルト要因(Gestalt Factor)」と呼んでいます。 ゲシュタルト要因の一部として、以下のような知覚の傾向が見られます。 |
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(1)図と地(Figure-Ground Relationship) 要素は「図(焦点を合わせる対象)」あるいは「地(その他の知覚域)」のいずれかとして知覚されます。 図は概ね明確な形を持つが、地にははっきりした形がありません。 ルビンの壷で有名なエドガー・ルビンは図と地を特徴づける性質を次のようにまとめています。 ・図は「もの」の性質をもち,区切られており、地の少し上に見える。 ・図は閉じられ、輪郭で分離され、形をもつ。 ・地は「材質」の性質をもち、図よりも遠く見え、図によって部分的に遮断される。 ・地は境界で区切られず、開かれている。
白い壁を背景に手前の木製のテーブルから、奥の木製のテーブルを撮影。 明度の低い長方形のエリアが図として知覚されるでしょう。 |
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(2)近くにある(Proximity) 近くにある要素同士は、離れている要素同士よりも、より関係が深いと認識されます。近くにある要素は相互にひとつのかたまり(チャンク)と見えます。
ホールの座席に座る観客を2階席から撮影。 近接して着席している人たちが、一つのグループとして捉えることができるでしょう。 |
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(3)似ている(Similarity) 類似性のある要素同士は、類似性のない要素同士よりも、関係が深いと認識されます。似た性質をもつ要素は距離が離れていても、強い関係性を持つと認識されます。
雑貨店の店先で陳列されている商品群を撮影。 形状の似ているもの同士が、より関係強く感じられるでしょう。 |
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(4)閉じた形に見える(Closure) 個別の要素から成る一連の情報を、複数の個別の要素としてではなく、ひとつの認識可能な形(パターン)として知覚する傾向。バラバラに見える要素に、足りない情報を補って、より単純な閉じた形として認識することになります。
道路の白線を撮影。 走行車線を区切る破線は、つながった一本の線として知覚されます。 |
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(5)なめらかに続く(Good Continuation) 直線やなめらかな曲線上に配置された要素は、まとまりとして知覚され、直線や曲線上に配されない要素よりも、要素間に関連性があると解釈されます。
家電量販店の店先に設置されたカプセルトイの販売機を撮影。 同じものが直線上に連続して配置されていることで、なめらかなつながりを感じさせることでしょう。 |
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(6)線や面でつながる(Uniform Connectedness) 一定の視覚的要素(線、面、色など)によって結合された要素同士は、結合されていない要素同士よりも関係が深いと認識されます。
無造作に収納された本棚を撮影。 棚によって区切られた正方形のエリアが、個々の面として知覚されます。 |
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(7)プレグナンツの法則(Law of Pragnanz) 曖昧なイメージを、複雑でまとまりのない形ではなく、単純でまとまりのある形で解釈する傾向。人は複雑な形よりも単純な形の方を、より良く視覚的に処理し記憶することができます。 たとえば、自動車のフロントフェイスは、まさに顔を意識したデザインがされています。 Volkswagen The Beetle |
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■ 課題要件 われわれの身の回りを観察し、ゲシュタルト要因として捉えられる知覚の傾向(1)〜(7)について、その特徴を表すビジュアルイメージを、デジタルカメラで撮影し採集してみましょう。 撮影されたビジュアルイメージは、どの知覚の傾向を選択し、どのように捉えたのかを説明する文章も考えておいてください。 画像データの整えや仕様については、次週授業時に解説します。 |
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第02週:09月25日