20220427

アドバンストデザイン・実習

大阪電気通信大学 総合情報学部 デジタルゲーム学科, ゲーム&メディア学科 前期開講科目

アドバンストデザインのためのユニバーサルデザイン思考と図法の基礎

第04週:05月10日

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1)映画作品の中に観るユーザ分類 2 ユーザ分類の観点からの解説

さまざまなユーザ像について、そのユーザの特性に応じたグループに分類し、さらにその身体機能やデモグラフィックなどによって細かく分類したものが、ユーザ分類表です。

ユーザー分類表を参照しながら、映画作品の中に登場する人物やシチュエーションから、UDの観点で分析を前回の授業でおこなってもらいました。

映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」

前回鑑賞したロサンゼルス編とパリ編の2話の物語の中に発見することのできる、UDの対象としてのさまざまなユーザ像について以下に解説をします。

午後7時を回ったロサンゼルスが舞台です。

自動車の整備工志望の若い女性ドライバー。彼女が空港から乗せた乗客は、映画の配役エージェントのリッチなキャリアウーマンでした。

会話を交わすうちにエージェントの女性は、現在探している映画の主役に、この女性ドライバーを起用したいと考えるようになり…

01:09 →

サングラスをかけた女性ドライバー

日差しがまぶしくてかけていますが、当然日が落ちてくると見難くなります。

01:18 →

飲酒するバンドマンの乗客

アルコールを摂取すると、通常の身体機能は異なった状態になります。

01:38 →

プライベートジェット機から降りてくる女性

出入口の扉が小さいので、かなり姿勢をかがめて出てくる必要があります。

01:40 →

プライベートジェット機のステップと地面との距離

地面に足を着ける最後の1歩が、それまでに比べて大きな動作となります。

01:58 →

携帯電話に出る女性

当時の携帯電話の操作は、フラップ開いてアンテナ伸ばして、通話ボタンを押して通話が始まります。

当時はスタンダードなプロセスでしたが、現在のスマートフォンで片手で操作できることを考えると、通話までステップ数がたいへん多いです。

03:16 →

公衆電話を利用する女性ドライバー

コインの投入口が高い位置にあり、背の低い人には使い辛いデザインではないでしょうか。

03:54 →

預け入れ荷物の引き取り

ターンテーブルの作動開始を知らせるアラート音が大きく、通話中の女性が一方の耳を押さえます。もっと柔らかい音でも良いのかもしれません。

しかし、聴覚障害があるアラート音が聴き取れず、いきなりターンテーブルが動くことになります。聴覚だけでなく他の感覚器にも訴えるしくみが必要かもしれません。

05:20 →

荷物用カートの利用

荷物を乗せた反動でカートが動き安定しません。 現在のものにはストッパーがついていて、持ち手のハンドルを押し下げるないと動かないようになっています。

06:39 →

タクシーに荷物を載せる女性ドライバー

荷室扉が上下に分割して開くタイプのアメリカ車がタクシーとして利用されています。。

荷室扉を上に跳ね上げるものが多いが、真ん中半分で分かれるもの、ガラスエリアが独立して開閉可能だったりと、多くのハッチの開け方・形状がある。 ただどれも一長一短があるでしょう。

07:15 →

タクシーに乗り込む女性客

ドア下部のエリアが高いので、大きく足を上げないと乗れません。彼女はハイヒールをはいているので乗り難そうにしています。

08:41 →

座席に電話帳を敷いて運転する女性ドライバー

彼女の身長ではシートが低く、調整幅が小さいと適切なポジションを取ることができません。

現在の自動車の運転席は、各種方向に調整幅の大きい機構が採用されています。

09:48 →

助手席に置いたラジカセを操作する女性ドライバー

音楽を携帯する文化は、カセットテープ → MD → MP3 と時代とともに変遷してきました。

カセットテープにはセットする向きでA面B面があり、またそのデザイン形状から触覚で上下が判別できました。

これがCDならどうでしょう。読み取り面が片面のみで、読み取り面は触覚だけではわかりません。

12:35 →

女性客の”night blindness”

night blindnessとは夜盲症や鳥目といい、薄暗くなると物が見えにくくなる状態の網膜疾患のことです。老化ではなく先天的にそういう性質を持つ人もいます。

パリの時刻は午前4時7分。街中を駆け抜ける小型のタクシー。

車内で悪ふざけをする酔った乗客に、怒った黒人ドライバーは、途中で2人を無理やり降ろして走り去ります。

次にそのタクシーを拾うのは盲目の白人女性。ドライバーの男性は、興味本位で彼女に質問をはじめるのですが…。

01:11 →

黒人ドライバーが右眉の上に貼った絆創膏

UDの7原則に「侮辱しないこと」とある。絆創膏の色が白に近い色であることは、肌の色の異なる人種にとっては侮辱にあたるのではないでしょうか。

現在は商品バリエーションも拡がり、透明やカラフルなデザインのものもあります。

02:10 →

出身地によるからかい

酔った乗客(カメルーン出身?)は、荒い運転をするドライバーに対して出身地を訪ねます。ふざけてもうひとりの乗客が、ドライバーの顔を覗き込み、ベナン顔だと揶揄しました。

それに対してドライバーは、コートジボワールの出だと言い、それを聞いた乗客はIvoirien(コートジボワール人)の発音を転じて、フランス語の"Y voit rien"(何も見えない)と嘲笑したのでした。

同じような悪ふざけやからかいが、わたしたちアジア人の意識の中にもあるでしょう。

UDの基本的な精神において、他者に対する尊敬や慈しみ、寛容の精神が根底にあることを忘れてはいけません。

05:12 →

盲目の女性の登場

白く長い杖を持った女性。白い杖は視覚障害であることを周囲に知らせるサインになっています。

女性は周囲の環境音に敏感に反応し、顔や体をあちらこちらに向けます。

05:47 →

タクシーに乗り込む女性

タクシーの後部座席のドアハンドル位置を杖と手で探り、乗客自身がドアを開けました。

日本のタクシーの場合は、ドライバーの操作によって自動でドアが開けられます。たいへん日本的なサービスといえるかもしれません。

06:36 →

目的地までの道順の指示

助手席の後ろには「お好みの道順は運転手に指示を」のボードが掲げられています。その表記は点字ではなく、アルファベットのレリーフによるものです。

視覚障害者とそうでない健常者が同じボードから、同じ情報を得ていることになります。

アルファベット圏だからできる表記で、日本語環境で表すことは困難でしょう。

07:38 →

ルームミラーを動かしたドライバー

女性は「今、何か変えた?」と些細な音に対する反応を示しました。聴覚機能が鋭敏になっていることが見て取れます。

10:02 →

障害に対する認識の差

ドライバーは視覚障害に対する自身のイメージを、女性に問いかけていきます。 生まれつき障害を持った女性は、そうしたドライバーの固定観念に対して、視覚障害を持ちながらも健常者と変わらない感性の世界に生きていることを語ります。

DVD「ナイト・オン・ザ・プラネット」

発売元:日本ビクター

販売元:ビクターエンタテインメント

品番:JVBF-47011

ASIN:B00005GRI1

2)PPP評価法

■ Product Performance Programとは何か

プロダクト・パフォーマンス・プログラム(Product Performance Program, 以下PPPと略します)は、UDの達成度を評価する評価基準です。UDの達成度とはすなわち、これまで検証してきたさまざまなユーザにとって、使いやすく心地よいもの、そしてそのデザインを指します。

ユーザはデザインの専門家ではありません。デザインは、企業やプロ集団、また専門家による設計で、そのプロフェッショナルな存在によって設計されるもの、とされてきました。しかし、一方で社会に供給されるさまざまな商品やサービスの中には、ユーザにとって使いづらく、また心地よくないデザインがあることも事実であり、それを判断するのは、プロフェッショナルな存在ではなく、一般のユーザなのです。

PPPによるデザイン評価は、さまざまなユーザの立場に立って、その商品やサービスの持つかたちと機能の関係を意識し、また認識し、判断、評価することです。

デザインの責任保証、デザインアシュアランス(Design Assurance, 以下DAと略します)は、デザインがどのような意味や問題を持つのか、ものづくりの意識のよりどころを客観的に評価することであり、デザイン行為に対して責任と保証を担うことです。

このDAを形成する考えが、すなわちUDであり、その追求を助けるものとしてPPPは位置づけることができます。

■ PPPの考え方

PPPはロナルド・メイスらによるUDの7原則をもとに、その細目を考慮した55項目にわたるガイドラインです。UDの定義にあった7原則に加えて3点の付則で構成されています。

ここでは「easy! PPP」というPPP評価の簡易版シートを紹介します。

easy! PPPの使い方は以下のとおりです。

1. 評価対象となる商品やサービスを決めます。

2. easy! PPPの各項目に沿って対象を実際に使用してみます。

3. 使用しながら、さまざまなユーザグループについて考慮しましょう。

4. 考慮した結果を踏まえて、以下のポイントによって評価をおこなってください。

  たいへん良い   … 3点

  良い       … 2点

  問題あり     … 1点

  たいへん問題あり … 0点

5. 評価によって出たポイントをレーダーグラフなどにまとめましょう。

3)課題[PPPを用いたUD達成度調査]1 課題説明

easy! PPPを用いて、身近にある商品を評価してみましょう。

easy! PPP(Excel ワークシート)をダウンロードし、任意で選定した商品についての評価をおこないます。

同一カテゴリーの競合商品3種類を対象とし、それぞれの評価を比較検討してください。

また、デジタルカメラによる商品撮影やウェブに掲載された商品画像のダウンロードによって、ワークシートに選定した商品の画像イメージを挿入しておいてください。

調査シートはExcelファイルのデータとして、ファイル名を以下のとおりとします。

 prd1_学生番号.xls(例:prd1_hb18a000.xls)

次週05月17日授業時に、提出方法についての説明をおこないます。

PPPの考え方は、プロダクトデザイナーかつ環境デザイナーである中川聡氏(トライポッド・デザイン代表)によって提唱され、日本におけるUDの浸透に大きな影響を与えるものとなりました。

DAに対するQAやQC

DAがデザインの責任保証であり、近年、企業活動の重要な視点として捉えられる以前には、クオリティーコントロール(Quality Control, QCと略す品質管理)やクオリティーアシュアランス(Quality Assurance, QAと略す品質保証)などが、企業活動の経済性かつ成長性を促す重要な視点とされてきました。

QC、QAに加え、DAの複眼で企業活動を捉えることが、現代の企業活動の新たなものづくりの視点であるといえるでしょう。 QCやQAが商品やサービスを提供する企業側の、対物的な視点であるのに対して、DAはユーザの受け止め方へと思慮した、対人的な視点であるといえます。

インデックス担当授業の資料アドバンストデザイン・実習

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